便秘の原因
■便秘の症状で知る便秘の原因とは?
便秘には、大きく分けると急性便秘と慢性便秘に分けられますので、それぞれを分けて便秘の原因を説明します。
●急性便秘
急性便秘には、1週間位前から突然おなかが張って便が出ない場合などで、「一 過性単純性便秘」と、病気が原因でおこる「器質性便秘」があります。「一過性単純性便秘」は、食べる量が少なかったり、環境の変化、精神的ストレ スなどによる一時的な便秘で、急性便秘の多くはこのタイプです。
「器質性便秘」では、腸捻転や腸閉塞などの病気が考えられ、その場合は激し い腹痛や嘔吐を伴うことが多いので、急いで病院に行くことが必要です。
・一過性単純性便秘の原因
この便秘の原因は、食事や生活の変化などをきっかけに起きるので、便秘の原因を除くことができれば治ります。
・症候性便秘の原因
この便秘は病気が原因で起きます。急性のものでは、腸捻転や腸閉塞などが原因です。
●慢性便秘(胃腸の病気)
便通の間隔が3日以上あったり、毎日排便があっても便が硬く、少ししか出ない場合の便秘のこと。このような慢性便秘の状態が長期間続くと、大腸がんや痔など、様々な病気を引き起こす可能性が高まります。
◎常習便秘
何らかの原因で腸の機能が低下したために起こる「機能性便秘」で、便秘に悩む人の多くはこれに当てはまります。
常習性便秘には、3種類あります。
●弛緩性便秘<大腸のぜん動運動が弱い>日本人にもっとも多く見られるタイプで、便がたまって大腸の筋肉が
ゆるみ、便を肛門まで運ぶ大腸のぜんどう運動が弱くなってしまうため
に起こる便秘。おなかがぽこっと出ます。食物繊維不足の人、胃腸の弱い人
ダイエットで食事の量や回数を減らしてしまった人などによく見られます。
この便秘になると、腹部膨満感、残便感、食欲低下、頭痛、肩凝りなどの
症状を伴うこともあります。
●直腸性便秘<便意を感じにくくなる>
腸機能が衰えているために起こる便秘。特に直腸の筋力が弱って自力で
だせなくなります。高齢者に多いタイプ。浣腸などを乱用すると、
便意を感じられなくなることもあります。
●けいれん性便秘<大腸のぜん動運動が激しい>
精神的ストレスなどにより自律神経が乱れ、腸のぜんどう運動が強すぎ
大腸の筋肉がけいれんを起こして細くなり、便が通りにくくなる便秘。
他の便秘は食生活の改善が有効な方法ですが、けいれん性便秘はストレス
などの原因を解決することが必要です。若い人に多く見られ、便秘と下痢を
交互に繰り返すことがあります。
原因は主に精神的ストレスです。特徴は食後に下腹部が痛くなることです。
便意も起こるのですが、うさぎの糞のような便で、残便感があります。
◎症候性便秘の原因
大腸がんや大腸ポリープ等、腸内の便の通過を妨げる病気があるときに起こる。便秘は、上のようなタイプに分けられますが、どうしても気になる方は、病院で医師の診察を受けることが必要です。
■便秘の原因の種類
●年齢や環境の変化による腸内細菌バランスの悪化
加齢や食生活の変化などが原因となって、善玉菌(ビフィズス菌)が減り、悪玉菌が増えると、腸内細菌バランスが悪くなり、便秘になりやすくなります。
この他にも、便秘になりやすい原因となる生活習慣をしている方も多いようです。
・ダイエット(特に食べない系のダイエット)や少食により
食事(特に食物繊維の量)そのものの量が減り
いい便が作ることができないため、便秘になる。
・朝食抜き(便を作る元がない)
・運動不足
・水分摂取不足
・酵素不足
今までは野菜や果物などの食品から補っていた酵素ですが、加工食品を食べることの
多い現代人は体内の酵素量が不足してしまい、消化不良を起こしたり、腸の中に老廃物
がたまって便秘になってしまう方などが増えています。
●ストレス
精神的なストレスが原因となって便秘になることもあります。例えば、旅行先で一時的に便秘になるのもこのケースに当てはまります。
また、不規則な生活などによる肉体的ストレスが自律神経に影響し、腸管の動きを悪く
することよる便秘もあります。
●我慢のしすぎ
我慢のしすぎも便秘の原因のひとつだと考えられます。無理なガマンをしてしまうことで、排便のタイミングを逃してしまいます。そして、その結果、便の水分が抜けて硬く
なるため、出にくくなってしまう、つまり便秘になってしまうのです。
●妊娠による便秘
便秘は一般的に女性に多いとされ、さらに妊娠すると便秘になりやすいとされています。妊娠することによって増大した妊娠子宮による腸管の圧迫、非妊娠時と比較して
明らかに高値な黄体ホルモンなどの影響による腸管のぜん動運動の低下などが便秘の
原因とされています。
治療法としては非妊娠時と同様ですが、生活習慣(食事指導、運動、排便リズムの確立
など)の改善が必要になってきます。便秘薬などで解消したいと思う反面、妊娠中は
赤ちゃんに影響が出ないかという不安もあります。やはり、生活習慣(食事・運動など)
の改善が治療法としては安心ですね。